黒田博樹も認めたメッツの新エース、マット・ハービーに注目!

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 そのハービーと投げ合い、7回無失点と"貫録"のピッチングを見せた38歳の黒田は、ハービーをこう評する。

「ストレートは力がありましたし、うちの打線でもなかなか手が出ないという感じだった。あとはメンタル的に強いなという印象を受けました。1−0の試合展開で投げ合って、崩れるところも見えなかった。素晴らしい投手ですね」

 そしてハービーと対戦し、3打数無安打に終わったイチローは短く印象を語った。

「いい球投げると思うよ。落ち着いた感じはするよね」

 メジャーで長く生き抜くベテランふたりが、ともに語ったルーキーらしからぬハービーのプレートさばき。持っているボールの素晴らしさだけでメジャーの舞台に出てきたわけではないことがよくわかった。

 今年のオールスターは、7月16日にメッツの本拠地シティー・フィールドで行なわれる。気の早いニューヨークのメディアは、ナ・リーグの先発にハービーを推し、ア・リーグの先発には今季限りでの引退を表明しているヤンキースのマリアーノ・リベラを挙げている。ニューヨークを本拠地とする新旧投手の対決が本当に実現すれば、大いに盛り上がることは間違いない。

 早くもエースと表現されるハービーだが、一流の領域とはそう簡単に到達するものではない。1シーズンを通してコンスタントに働き、その活躍を3年、5年と続けて初めて「一流」の称号が得られるのである。とはいえ、無限の可能性の秘める24歳の新星に期待せずにはいられない。

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