青木宣親と「ブルワーズ伝説の1番バッター」との類似点 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そしてこのような強力打線と非常に似ていたのが、モリターが活躍した1980年代のブルワーズです。1982年にチーム初のリーグ優勝を成し遂げたときは、2番に同年MVPのロビン・ヨーント、3番に打点王2回のセシル・クーパー、4番にオールスター8度出場のテッド・シモンズ、5番に本塁打王2回のゴーマン・トーマス、そして6番に近鉄でプレイしたベン・オグリビーと、錚々(そうそう)たるメンツを揃えていました。そんな豪華な打線の先頭打者を任されたのが、「点火装置」と呼ばれたモリターです。その愛称のとおり、攻撃の火蓋を切る役割としてモリターが出塁すると、ブルワーズ打線は大爆発したのでした。

 まさにそのような得点パターンは、今のブルワーズと重ね合わせることができます。青木選手が先頭打者で出塁することで、チームは幾度となく得点するチャンスをつかんでいます。1番バッターとして、これほどチームに貢献している選手はメジャーでも少ないのではないでしょうか。ぜひとも青木選手には、「第2のポール・モリター」になってもらいたい。1980年代のヒーローと重ねて見えるほど、今シーズンの青木選手は華々しい活躍をしていると思います。

※数字は5月27日現在

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