イチローもまだ若造?メジャーが誇る「伝説のオーバー40」たち (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 40歳近くになるとパワーやスピードが衰え、ほとんどのメジャーリーガーは成績を落とします。特に外野手というポジションはスピードと肩の強さを求められるので、ベテランになってもレギュラー外野手を務めるというのは、簡単なことではありません。今年、イチロー選手が39歳で開幕戦のレギュラー外野手を務めましたが、それはヤンキース史上最高齢の記録です。長いメジャーの歴史において、それだけ外野手でスタメンを張るのは、非常に難しいことなのです。

 最後に、40歳になってもレギュラー外野手として高いレベルを維持していた選手を紹介しましょう。1990年代から2000年前半にかけて活躍したスティーブ・フィンリーです。2004年、フィンリーはアリゾナ・ダイヤモンドバックスで23本塁打を放ち、さらに7月にトレードされたロサンゼルス・ドジャースで13本塁打を記録。なんと39歳にして、キャリアハイとなる合計36本塁打をマークしたのです。さらに2006年には、史上6人目となる『300-300(300本塁打・300盗塁)』を樹立。しかも41歳ながら、リーグ4位となる12本の三塁打を記録しました。スピードの要求される三塁打をふたケタも記録するのは、驚異的です。

 フィンリーは、40歳を過ぎても外野手として活躍した唯一の選手と言っていいと思います。今の段階でもイチロー選手は十分すごいのですが、個人的にはフィンリーのように、そしてフィンリーより長く外野手としてメジャーで活躍してもらいたいです。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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