イチローもまだ若造?メジャーが誇る「伝説のオーバー40」たち (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 次は、「世界の盗塁王」として名を馳せたリッキー・ヘンダーソンを取り上げたいと思います。1998年、オークランド・アスレチックスに所属していた39歳のヘンダーソンは、66個もの盗塁をマークし、自身通算12度目の盗塁王に輝きました。その後、40歳を過ぎてもトップクラスを維持し、30盗塁以上を2度記録。そして2001年、42歳になっても25盗塁をマークしました。

 その結果が、彼の最大目標だったメジャーリーグ歴代1位の通算1406盗塁に結びついたのです。さらにヘンダーソンは、42歳で通算3000本安打を記録。そしてメジャーラストシーズンとなった45歳のときには、タイ・カッブの持っていた通算得点記録を抜き、歴代1位の2295得点を残しました。ヘンダーソンは1番バッターとして、盗塁や安打だけでなく、得点という部分にも重きを置いていたのです。若いときとまったく変わらぬ体型で、40代になっても衰えることなくダイヤモンドを疾走する姿は、イチロー選手と重ね合わせることができるのではないでしょうか。

 そしてメジャーの最年長記録を次々と打ち立てたのが、日本でもプレイしたフリオ・フランコです。彼の生年にはいろいろな説があるのですが、MLBで発表されている1958年生まれとすると、40歳を迎えたのは1998年。ロッテに再入団した年です。

 2度目のロッテでは打率.290・18本塁打・77打点をマークし、翌年、当時タンパベイ・デビルレイズで1試合のみに出場すると、2000年には韓国の三星に移籍。シーズン後には42歳となっていたので、フランコの野球人生もピリオドかと思っていました。しかし2001年、アトランタ・ブレーブスと契約してメジャー復帰すると、奇跡の復活を遂げたのです。コンスタントに出場し、2005年には史上最年長となる46歳で満塁ホームランを記録。さらにニューヨーク・メッツに移籍した2006年には、代打ホームラン、そして1試合2盗塁と、「史上最年長」と付く記録の多くを塗り替えていきました。また、2007年にはランディ・ジョンソン(当時アリゾナ・ダイヤモンドバックス)からホームランを打って、自身の持つ最年長ホームラン記録を48歳254日まで更新。1982年のデビューから引退した2008年まで、フランコは27年間もプロ野球選手として活躍し続けました。

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