【MLB】「伝説の守護神」M・リベラのラストシーズンを見逃すな! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 引退した5年後、リベラが殿堂入りの資格1年目に選ばれるのは間違いないでしょう。名門ヤンキースの中でも、『偉大なプレイヤー』の5位にランキングされています。1位はもちろん、通算714本塁打を誇る『伝説のホームラン王』ベーブ・ルースです。2位は当時「不滅の大記録」と言われた2130試合連続出場の『鉄人』ルー・ゲーリッグ。3位は「史上最強のスイッチヒッター」と呼ばれた通算536本塁打のミッキー・マントル。4位は不滅の56試合連続安打を記録したジョー・ディマジオ。そんな錚々(そうそう)たるメンツの次に名を連ねるのがリベラです。伝統的に打撃のチームなので、ランキングには打撃のスーパースターが上位を占めています。ちなみにヤンキース史上初の3000安打を記録した『キャプテン』デレク・ジーターは6位。つまりリベラは、ピッチャーとして『ヤンキース歴代1位』という位置づけなのです。

 過去のリベラの試合を振り返ってみると、いつも完璧に抑えているので、逆に彼が打たれたときのほうが印象に残っています。今でもよく覚えているのは3試合あって、まずは1997年、クリーブランド・インディアンズとのディビジョンシリーズ第4戦。8回裏、リベラがサンディー・アロマー・ジュニアにライトスタンドへ同点ホームランを打たれたシーンです。まさかリベラが打たれるとは思ってもおらず、その結果、ヤンキースはこのシリーズで敗退してしまいました。

 次は2001年、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとのワールドシリーズ第7戦。ヤンキースが2対1とリードして迎えた9回裏、最後の土壇場で3番のルイス・ゴンザレスに前進守備のショートのジーターの頭上を越えるヒットを許し、逆転されてしまったシーンです。これがリベラにとっては、ワールドシリーズ初のセーブ失敗。同時に、ヤンキースが1998年からの4連覇を逃した瞬間でもありました。

 そして3つ目が、2004年、宿敵ボストン・レッドソックスとのア・リーグチャンピオンシップ。第1戦から3連勝したヤンキースは、ワールドシリーズ進出に王手をかけていました、しかし、第4戦と第5戦でリベラが2試合続けてセーブに失敗。その後、ヤンキースはまさかの4連敗を喫してしまったのです。逆に勢いに乗ったレッドソックスは、この年のワールドシリーズを制覇。86年ぶりの世界一に輝き、『バンビーノの呪い』を解いたのです。

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