【MLB】イチロー初体験。ヤンキースのキャンプ地とは?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

メジャー13年目で初となるタンパでのキャンプ。イチローはどんな印象を持ったのだろうかメジャー13年目で初となるタンパでのキャンプ。イチローはどんな印象を持ったのだろうか ニューヨーク・ヤンキースがキャンプインして約3週間、キャンプ地のフロリダ州タンパでは連日オープン戦が行なわれています。昨年7月にシアトル・マリナーズから移籍してきたイチロー選手にとって、タンパでのキャンプはメジャー13年目で初めての経験です。そこで今回はヤンキースのキャンプ地、タンパについて紹介したいと思います。

 タンパとメジャーリーグの関係を振り返ると、ちょうど100年前までさかのぼります。1913年、フロリダ州西海岸に位置するタンパに最初の常設キャンプ場を作ったのは、シカゴ・カブスでした。そして1931年にはシンシナティ・レッズもタンパにやってきて、ヤンキースがキャンプを張るようになったのは1996年のことです。

 古くからキャンプ地として栄えただけに、野球の盛んなタンパの町は、多くの偉大な野球選手を輩出してきました。1920年代にメジャーを代表する捕手として活躍し、のちに名監督となって殿堂入りを果たしたアル・ロペス。史上ふたり目となる「両リーグ世界一」を達成し、監督として歴代3位の2728勝を挙げた名将トニー・ラルーサ。1990年にレッズを率いて世界一となり、2001年にマリナーズでメジャータイ記録のシーズン116勝をマークしたルー・ピネラ。1970年代の球界を代表する人気スターで、「ミスター・ドジャース」と呼ばれたスティーブ・ガービー。1980年代に「ドクターK」の愛称で一世を風靡したドワイト・グッデン。その甥っ子で通算500本塁打を達成したゲイリー・シェフィールド。史上初の両リーグ本塁打王に輝いたフレッド・マグリフ。1990年代後半にヤンキースの中心選手として4度の世界一に貢献したティノ・マルチネス......。タンパ出身の名選手を挙げれば、キリがありません。それもすべては、100年に渡って強豪チームがタンパでキャンプを張り、その影響を大きく受けてきたからでしょう。

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