【WBC】これが大会を彩る最強スラッガー10人だ! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
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 一方のハンリー・ラミレスは、前回大会に続いて2度目のWBC出場となります。フロリダ(現マイアミ)・マーリンズ時代の2008年には、30本塁打・30盗塁の『サーティ(30)・サーティ(30)』を達成し、2009年には打率.342という高い数字で首位打者を獲得。この活躍により、H・ラミレスはトップスターの仲間入りを果たしました。昨年7月、マーリンズからロサンゼルス・ドジャースに電撃移籍しましたが、移籍直後、宿敵ジャイアンツ相手に決勝ホームランを放つなど、ここ一番での勝負強さも魅力です。WBC出場選手の中でも屈指の『ファストボールヒッター』なので、相手がストレートで勝負を挑んできたときのバッティングに注目してください。

 そして今大会、ベネズエラやドミニカより多くの強打者を揃えているのが、名将ジョー・トーリ率いるアメリカ代表です。その中でもチームナンバー1のスラッガーと言えば、間違いなくライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブルワーズ)でしょう。2011年のナ・リーグMVPで、昨年は初のホームラン王を獲得しました。4年連続打率3割、4年連続100得点・100打点、そして昨年はメジャー史上9人目となる『40本塁打・30盗塁』を達成。アベレージ、パワー、スピード......、ブラウンはすべてを兼ね備えた万能アスリートです。

 また、ブラウンとともにアメリカの中軸を担う23歳のジャンカルロ・スタントン(マイアミ・マーリンズ)も、今大会必見のスラッガーでしょう。2010年のデビュー以来、3年間で通算93本塁打をマーク。これは、23歳以下では歴代5位タイのスピード記録です。そして何より、スタントンの打球の飛距離に注目してください。昨年はナ・リーグ最多となる11本の『ノーダウト・ホームラン』を記録し、8月18日にはデンバーのクアーズフィールドで過去4年間の最長飛距離となる実測494フィート(約151メートル)のホームランを放ちました。ノーダウト・ホームランとは、「どこの球場でも間違いなくフェンスを越える飛距離のホームラン」というものです。メジャーリーグはいろんな記録を残していますが、この数値はスタントンのパワーを象徴する貴重なデータだと思います。豪快なスイングと圧倒的な飛距離は、WBCに出場するバッターの中でもナンバー1。今大会で大ブレイクする可能性が高いので、ぜひチェックしておいてください。

 今大会、アメリカ代表の中軸は、3番・ブラウン、4番・スタントン、5番・マーク・テシェイラ(ニューヨーク・ヤンキース)と予想されています。ただ、もうひとり注目すべき選手を紹介しましょう。それは、6番を打つ予定のデビッド・ライト(ニューヨーク・メッツ)です。メッツのフランチャイズプレイヤーとして、2020年まで8年総額1億3800万ドル(約113億1600万円)の大型契約しているライトは、安打(1426本)と二塁打(322本)でチーム歴代1位を記録し、本塁打(204本)も歴代3位。ニューヨークではヤンキースのデレク・ジーターに匹敵するほどの人気で、30歳にしてすでに球団の歴史にその名を残しているスター選手です。

 彼がアメリカ代表の6番に座ると考えただけで、対戦相手は震え上がると思います。右打席から右中間に長打を放つ技術はズバ抜けており、第2回WBC準決勝で日本と対戦したときも、松坂大輔投手(クリーブランド・インディアンス)から二塁打を放ちました。スタントンと同じぐらい「今が旬」のプレイヤーなので、ライトも今大会必見です。

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