【MLB】日本人投手、2年目のジンクスはいかに? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 そしてメジャー6年目、ニューヨーク・ヤンキースで2シーズン目の黒田博樹投手も、今シーズン、注目すべき日本人ピッチャーのひとりです。ヤンキースの先発陣の顔ぶれは、昨シーズンと変わっていません。CC・サバシア、黒田博樹、アンディ・ペティット、そしてフィル・ヒューズ。その中でも「左のサバシア」「右の黒田」のふたりは、今シーズンもヤンキースの誇る『左右の両輪』として欠かせない存在です。

 昨シーズンの黒田投手は、投手有利のドジャースタジアムから、ホームランの出やすいヤンキースタジアムに本拠地を移したことで、誰もが「成績を落とすだろう」と予想しました。ところが自己最多の16勝を挙げ、防御率(3.32点)もドジャース時代と変わらない数字をマーク。これには、メジャー関係者の多くが驚きました。しかも黒田投手のすごいところは、メジャーで5年続けて防御率3点台をキープしている点です。どんな秀でたピッチャーでも、時には4点台となるメジャーの世界で、これは驚くべきことだと思います。

 ドジャース時代からバッテリーを組んでいたラッセル・マーティンがFAでピッツバーグ・パイレーツに移籍し、それを不安視する声もありますが、抜群の安定感を誇る黒田投手なら今シーズンも変わらず好成績を残してくれるでしょう。むしろ、エースのサバシアが昨年オフに左ひじを手術したので、その回復状況によっては、黒田投手が名門ヤンキースのエースになるかもしれません。

 メジャー2年目のダルビッシュ投手と岩隈投手、そしてヤンキース2年目の黒田投手。3投手とも今シーズンは、さらに飛躍しそうな勢いを感じます。開幕まで、あと40日――。今シーズンの活躍を想像すると、今から期待に胸が膨らみます。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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