【MLB】これがウワサの「全米ナンバー1ルーキー」だ! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

3位 オスカー・タベラス(20歳)
   [セントルイス・カージナルス/外野手/左投げ・左打ち]

 3位はドミニカ共和国出身で、2008年に当時16歳でプロ入りしたオスカー・タベラスという外野手です。セントルイス・カージナルスというチームは、ファームでの若手育成に定評があり、過去にはアルバート・プホルス(現エンゼルス)やヤディアー・モリーナ(現カージナルス)など、中南米出身のスター選手を輩出してきた歴史があります。

 タベラスも彼らと同じく順調に成長し、2011年にはマイナーのシングルAで打率.386をマークして首位打者を獲得。さらに2012年には、ダブルAのテキサスリーグで打率.321・23本塁打・94打点という群を抜いた成績を残し、MVPに輝きました。しかもタベラスは、積極的に打つバッターにもかかわらず、三振が少なく、将来の3番候補として期待されています。

 マイナーではセンターを守っていますが、いずれは強肩を生かしてライトに定着するのではないでしょうか。今シーズンの終わるころには、メジャー昇格も十分にあるでしょう。カージナルスが生んだドミニカの大スター、プホルスの後継者になりうる存在だと思います。

2位 ディラン・バンディ(20歳)
   [ボルチモア・オリオールズ/投手/右投げ・両打ち]

 2位に入ったのは、2011年にボルチモア・オリオールズからドラフト1巡目、全体4位で指名されたディラン・バンディという右投手です。オクラホマ州の高校時代から数々の新記録を打ち立て、「全米ナンバー1高校生」と評されたバンディは、その年の契約期限(8月15日)ぎりぎりに、なんと622万5000ドル(約5億8000万円)のメジャー契約を勝ち取ってプロ入りしました。高校生の契約としては、破格の条件です。

 実際、バンディは高額契約に見合う実力の片鱗をすでに見せています。2012年、マイナーで初めてプロのマウンドに立つと、シングルAで30イニングを投げ、打たれたヒットはわずか5本。アメリカでは「ほとんど打たれないルーキー」ということで、一躍、話題となりました。さらにマイナー3階級で9勝3敗・防御率2.08という抜きん出た数字を記録。そして2012年9月、19歳の若さでメジャー昇格を果たしたのです。

 バンディの最大の武器は、時速100マイル(時速約161キロ)に達するストレートと、キレのあるカーブです。今シーズン、先発ローテーション入りする可能性も十分にあり、将来は20勝や200奪三振を記録するようなオリオールズのエースになるだろうと評されています。

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