【MLB】田澤純一「レッドソックスの育成メソッドのおかげで復活できた」 (4ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

―― レベル的にはどうでしたか?

「2Aに関しては、160キロ近いボールを投げる選手はいくらでもいますが、コントロールやスタミナなど、まだまだ課題のある選手が多い印象を受けました。一方3Aは、いつメジャーに上がってもいいような選手が多いですし、刺激を与えてくれる場所です。今シーズンも何度かメジャーから3Aに降格することがあったのですが、やるべきことも多いですし、いい緊張感を持ってプレイすることができるので、気持ちが切れることはなかったですね」

―― 今年、花巻東の大谷翔平くんがメジャー挑戦か、国内残留かで揺れていました。その際、NPBを経由しないでメジャーに上がることがいかに難しいかという報道も多くありました。実際、アマ球界からメジャーに挑戦したひとりとして、この件について思うことはありますか?

「NPBを経験していないから厳しいとか、逆に経験しているから通用するとか、そういうことではないと思います。要は、どれだけこっちの野球に対応できるか。僕の場合は相手もよくわからず、先入観というのがまったくありませんでした。つまり、情報も少なかったですし、いい意味で怖さがなかった。だから、すんなりアメリカの野球に馴染むことができたんだと思います。逆に日本だと知っている選手も多く、やりづらさはあったかもしれないですね」

―― 今シーズンはセットアッパーとして活躍されました。来季以降もこのポジションでやりたい気持ちはありますか?

「今はチームの方針に従っているだけで、決してセットアッパーをやりたいわけではありません。ただ、手術してからは一度も先発を経験していませんし、100球を投げられるのか不安もあります。それが解消されれば、また先発をやりたくなるかもしれませんが、今は与えられたポジションで結果を出すだけです」

―― 最後に、来季の目標について聞かせて下さい。

「今年はコンディションもよく、いい状態で投げられたことが大きかったと思います。もちろんコンディションを維持して、来年こそ1年間メジャーでやりたいですね。やはりボストンのあの熱狂的なファンの前で投げるのは特別です。あれを経験すると、もうマイナーには落ちたくないし、アメリカに来て本当によかったと思います」

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