【MLB】松坂大輔が「完全復活」できるチームはココだ! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 また、パドレスを率いるバド・ブラック監督が『投手出身』という点も注目です。現在、メジャー30球団で投手出身監督は2名だけで(もうひとりはレッドソックスのジョン・ファレル新監督)、昔から「投手出身監督は成功しない」と言われているのですが、ブラック監督は2010年、ナ・リーグ最優秀監督にも輝きました。投手出身では、元ドジャースの名物監督だったトミー・ラソーダらに次ぐ史上3人目の快挙です。現役時代はメジャー通算121勝を記録するなど、投手としても一流だったブラック監督のもとなら、松坂投手も安心して頼れるのではないでしょうか。

 松坂投手が頼れるもうひとりの存在として、ピッチングコーチのダレン・ボルスリーの存在も見逃せません。1990年に当時25歳の若さでマイナーからコーチ経験を積み、2004年から本格的にパドレスの投手陣をまとめ上げている人物です。2004年から2011年までの計8年間で、メジャートップのチーム防御率3.91を残した実績があり、ボルスリーも松坂投手の『完全復活』を支えてくれることでしょう。

 さらに今年8月、パドレスのオーナーが変わったことも、松坂投手にとって良い流れだと思います。新オーナーとなったのは、ピーター・オマリーを中心とする親族グループ。かつてドジャース時代の1995年には野茂英雄投手を獲得し、大の親日家としても有名な、あのオマリーです。彼のグループが8億ドル(約632億円)で買収に成功し、パドレスの新オーナーとなりました。「新たに資金を投入する」と公言しているオマリーの存在も、松坂投手獲得に向けての大きな後押しになると思います。

 そして何より、「松坂投手が復活するに最適な球団はバドレスだ」と思える点は、パドレスの本拠地サンディエゴの環境でしょう。カリフォルニア州最南端、メキシコとの国境近くに位置するサンディエゴは、一年中温暖な気候に恵まれ、年間300日は快晴の土地です。全米第2の都市ロサンゼルスからクルマで南へ2時間半の場所にあり、スモッグで有名なロスとは対照的に、サンディエゴの空気は抜群に奇麗。今、人口が急増中で、今年12月からJALの直行便も就航しました。温暖な気候なのでコンディション作りにも最適ですし、ひじへの不安を抱える松坂投手にはピッタリです。メジャー30球団のフランチャイズの中で、最高の環境と言ってもいいでしょう。また、太平洋に面したサンディエゴは軍港の街として知られ、同じ港町ということで横浜と姉妹都市なんです。これも何かの縁を感じます。

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