2012.11.01

【MLB】ワールドシリーズ3連覇。ナ・リーグが強くなった要因とは?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 さらに両チームのホームでのホームラン数を比較すると、本拠地AT&Tパークでのジャイアンツが31本に対し、打者有利なヤンキースタジアムでのヤンキースは138本。なんと4分の1以下です。こんなにもホームランを打っていないジャイアンツが世界一になるとは。これもメジャーの魅力です。

 メジャー最低のホームラン数のチームが世界一になったのは、1982年のカージナルス以来、30年ぶりの出来事です。今年のワールドシリーズでも、45年ぶりの三冠王に輝いたミゲル・カブレラや、2007年に50本塁打を記録したプリンス・フィルダー擁する強力打線のタイガースを、ジャイアンツが投手力と守りを中心としたスピードあふれる野球で凌駕しました。しかも、ワールドシリーズでスイープ(4連勝)というオマケ付きです。メジャー全体の流れが『パワー』から『スピード』に移行したのは間違いないでしょう。

 この『スピード重視』の流れは、今後も続くと思います。ア・リーグのほうが豪快で華々しく、「これぞメジャー」という野球ですが、特にワールドシリーズのような短期決戦では、パワーよりもスピードを重視するナ・リーグのチームが勝っています。余談ですが、このような傾向を見ていると、日本のプロ野球チームもワールドシリーズで勝てるのではないかと思いました。スピード野球が通用するのはすでにWBCでも証明されていますし、日米で頂上決戦をやれば面白いだろうなと。

 話が逸れてしまいましたが、オールスターゲームを見ても、ナ・リーグの時代が来たように感じます。1963年から1982年までは、ナ・リーグが19勝1敗と圧倒的に強かったものの、1997年から2009年にかけては、1引き分けを挟んでア・リーグに12連敗。それが2010年以降は、ナ・リーグが3連勝中です。

 来シーズン、ア・リーグの『パワー野球』が巻き返しを図るのか、それともナ・リーグの『スピード野球』がまたも頂点を掴むのか、メジャーリーグの『時代の流れ』にもぜひ注目してください。

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