【MLB】ワールドシリーズ3連覇。ナ・リーグが強くなった要因とは? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 近年のメジャー全体の得点数、本塁打数、出塁率のデータを見てみましょう。ドーピングの罰則が厳しくなった2006年から2012年までの7年間を振り返ると、このように変化しています。

1試合平均チーム得点数
(4.91点→4.83点→4.69点→4.66点→4.43点→4.28点→4.33点)

1試合平均チーム本塁打数
(1.12本→1.03本→1.01本→1.05本→0.96本→0.94本→1.01本)

シーズン平均チーム出塁率
(.337→.336→.333→.333→.325→.320→.319)

 打撃成績が軒並み低下していったのは、一目瞭然です。その結果、各チームはスピード重視の野球を見直すようになりました。それこそまさに、ナ・リーグ古来の野球スタイルです。

 特にナ・リーグの中でも西地区には、外野が広く、打球も飛ばない投手有利の球場が多いため、スピードをより重視するようになりました。代表的なチームが、ロサンゼルス・ドジャースです。また、ライバルのジャイアンツも2007年にバリー・ボンズが退団したことで、ドジャースに追随するようにパワー野球からスピード野球に変更しました。

 パワー重視とスピード重視を比較する上で、面白いデータがあります。世界一となったジャイアンツは今年、メジャー30球団の中でリーグ最低のホームラン数だったのです。162試合で103本しか打っていません。対してア・リーグを代表するヤンキースは、メジャートップの245本。ホームラン数では半分も満たなかったのです。

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