【MLB】残留か、放出か。スーパースター、A・ロッドの厳しい現実 (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 デトロイトでの第3戦(16日)の試合前、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMはメジャーリーグ機構が行なう公式記者会見の場に引っ張り出された。もちろん、ロドリゲスのあるまじき行動の真意を聞くためだった。だが、キャッシュマンGMは、「その件については何もコメントできない。何も言うことがない」と答えるのが精一杯で、一切否定しなかったというは、事実を認めたに等しかった。

 そしてその翌日には、マイアミ・マーリンズとのトレード話が持ち上がった。両球団のオーナー同士で話し合ったということだったが、これにはキャッシュマンGMも「その事実はない」と完全否定したが、今でもトレードの噂は絶えない。

 ロドリゲスは36歳を迎え、レギュラーシーズンでの成績も年々、下降線をたどっている。今季の成績は打率.272、本塁打18、打点57。また、打者を評価する指標としてメジャーでよく用いられているOPS(出塁率+長打率)も.783とすっかり並の打者に成り下がってしまった。しかし、契約だけは2017年まで1億1400万ドル(約91億2000万円)を残している。ヤンキースにとって最も処遇に困る選手といえ、ファンの中では「ロドリゲス不要論」を唱えるものも多い。しかし、ジラルディ監督は総括会見でイチローの名前を引き合いに出し、ロドリゲスへの期待を込めた。

「イチローもヤンキースに来る前は、少し成績を落としていた。だが、イチローはこの2カ月で見事に本来の姿を取り戻した。打撃とはそういう部分もある。40本塁打を期待できる選手は何人いる? ロドリゲスは間違いなくそのひとりだ。健康を維持し、修正を図ることができれば再び輝きを取り戻すことは可能だ」

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