【MLB】ヤンキース熾烈な首位争い。イチロー、黒田が噛みしめる充実感 (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by REUTERS/AFLO

 では、残り試合の対戦カードを見た場合はどうか。プレイオフ進出をかけた戦いをしている相手との試合数を見てみると、ヤンキースはレイズ戦とアスレチックス戦を合わせて5試合を残しており、オリオールズはアスレチックスとレイズの6試合。レイズはオリオールズ、ヤンキース、ホワイトソックスと9試合を残している。これを見る限り、対戦カードに最も恵まれているのがヤンキースという考えになるが、チーム状況や勢いを考慮すればそのまますんなりいくとも考えにくい。

 9月に入ってからの成績は、ヤンキースが6勝8敗、オリオールズが9勝5敗、レイズは7勝7敗。決してヤンキースが有利とは言い切れない。

 そのヤンキースで自身初めてのワールドシリーズ進出をかけて戦っているふたりの日本人選手がいる。イチローと黒田博樹だ。

 先発投手として、任された試合でチームを勝利に導くことが求められる黒田は、「ここまで来たら内容よりも結果。1試合1試合、1球1球、これが最後という思いを込めて、チームが勝てるように投げるだけ」と気持ちを全面に押し出す。

 一方でイチローは、シーズン終盤の優勝を懸けた試合に身を置けることを素直に喜ぶ。

「いやー、本当にしびれますよ。(こういう状況でプレイできて)勝ちたいという気持ちがまた強く生まれてくる。本当に幸せですよね、野球人として」

 果たして、ヤンキースは2年連続の地区優勝、4年連続のプレイオフ進出を果たせるか。イチロー、黒田の奮闘を期待したい。

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