【MLB】ダルビッシュ有、ヤンキース戦を前に米国流フォームの完成度は? (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • 荒川祐史●写真 photo by Arakawa Yuji

 このやりとりは、3人がともに日米の野球には大きな違いがあることを感じ、適応するのに苦労してきたことを表している。

 今、ダルビッシュはボールやマウンドなど、メジャーの環境になれるために日本時代よりも歩幅を狭くし、高い位置からボールを切るイメージで投げている。メジャーデビュー戦の頃は制球も定まらなかったが、ようやく各パーツの動きがマッチし、ボールに力が伝わるようになってきた。

 とはいえ、現時点でのダルビッシュは凄みもある反面、不安定さも否定できない。これは1年目の松坂と重なり合う部分は大きい。その松坂は以前、こんなことを言っていた。

「続かないんですよね。自分ではこれだというものを感じることができても、それが次の試合になかなか続かない」

 米国流にアレンジを施し、徐々に手応えを感じて快投を演じる。「これならばいける」と思っていても、次の試合ではまた違った課題が出てくる。1年目に15勝を挙げた松坂だが、不安定な投球も多く、最後まで確かな手応えを感じるまではいかなかった。

 ダルビッシュはタイガース戦のあと、「自分でもちょっとずつ良くなっている実感はある」と語ったように、手応えを感じ始めているのは間違いない。だからこそ、次の登板でダルビッシュがどのようなピッチングを披露するのか、非常に楽しみである。

 その次回登板は現地時間24日のヤンキース戦。ダルビッシュが「凄い」と語った黒田と投げ合うことになる。尊敬する先輩の前で、自信を確信に変えることができるのか注目だ。

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