【MLB】ダルビッシュ有メジャー初登板。現地評価は真っ二つ

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • 荒川祐史●写真 photo by Arakawa Yuji

 日本であれだけの実績を残し、国際試合の大舞台も経験。オープン戦最後の登板となった3月30日のロッキーズ戦では、メジャーへの適応も完了と専門家に評価されたダルビッシュが陥ったエアーポケットは、彼も普通の人間だったということだろう。「だから野球は面白い」とダルビッシュ初登板で改めて感じた。

 ダルビッシュはレンジャーズにとっては悲願の世界一に向けての切り札だ。ストライクを奪えば"Yu"コールの声援を送り、ボールを連発すればブーイングこそ起きなかったが"Come on, Yu!"と苛立ちを隠さなかった。チームが逆転勝利したことが何より大きな要素と感じるが、ファンは総じて「初めての登板だったからね」と暖かい目でダルビッシュを見た。

 今回、名だたるコラムニストは現地に集結しなかったが、地元紙は好意的な記事が多かった。ダラス・モーニング・ニュースは「不安定な立ち上がり」と題したが、「序盤を克服し、打線の援護で勝利」と理解を見せた。

 その一方で全国紙「USA TODAY」は「直球やすべてのボールを操れなかった」とし、ESPN電子版は「レンジャーズはダルビッシュのメジャーデビューに1億1200万ドル(約97億円)を費やしたが、少なくとも初登板は期待はずれ。期待は大きかったが制球力はなかった」と酷評した。

 次戦は14日(現地時間)のツインズ戦。ESPNは「技術的な修正ができるか、確かめる必要があると」と指摘しているが、今回の大乱調はメカニックでなくメンタルな問題だ。心配は無用だと感じている。

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