【MLB】ドラフト全米1位、超大物ブライス・ハーパーがついにデビュー!?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 2012年のブレーブスは、若い先発ピッチャーが目白押しです。『ジョン・スモルツの再来』と呼ばれたジェイアー・ジャージェンスや、3年連続ふたケタ勝利のトミー・ハンソンなど、26歳以下ばかり。その若い先発ローテーションの中に、テヘランを5番手で起用するのではと言われています。昨年、シアトル・マリナーズでデビューするやいなや、大車輪の活躍でオールスターにも選ばれたドミニカ出身のマイケル・ピネダ(ヤンキース)のように、突如ブレイクするかもしれません。各球団のスカウトも「将来のブレーブスのエースとなる」と太鼓判を押しているテヘランに、ぜひ注目してください。

ブライス・ハーパー(19歳)
[ワシントン・ナショナルズ/外野手/右投左打]

 2012年、メジャー全体で最も注目を集めているルーキーといえば、間違いなくワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパーでしょう。2010年のドラフトで全米を沸かせたハーパーが、今シーズン、ついにメジャーリーグの檜舞台に立つ可能性が高いのです。

 高校時代から抜きん出た記録(打率6割以上など)を叩き出したハーパーは、高校2年のときに飛び級し、大学球界にやってきました。しかし、カレッジでもハーパーを押さえ込める投手はおらず、2010年には、17歳ながら木製バットを使って打率.443・31本塁打・98打点をマーク。飛距離170メートルの特大ホームランを放つなど数々の伝説を残し、アマチュア球界最高の選手に贈られる『ゴールデンスパイク賞』を受賞しました。

 2010年ドラフトでは、当然のごとく全体1位指名。2009年のスティーブン・ストラスバーグに続き、ワシントン・ナショナルズが超大物ルーキーを2年連続で獲得したことも話題となりました。契約金は、ドラフト史上野手最高額の5年総額990万ドル(約8億4000万円・当時)。ナショナルズファンだけでなく、全米中の野球ファンがハーパーのメジャーデビューを心待ちにしてきました。

 プロ入りと同時にハーパーはキャッチャーから外野にコンバートされ、昨年はシングルAとダブルAで計109試合に出場して打率.297・17本塁打・58打点を記録。プロ1年目から驚異的なパワーと強肩を披露していました。スカウトは、数字の『20』から『80』までの尺度で選手を評価するのですが、ハーパーの評価は、パワー・肩の強さともに最高値の『80』。この値は滅多に付けられない、すごい数字です。

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