【MLB】ア・リーグ新人王争い。ダルビッシュのライバルはコイツだ! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

マイク・トラウト(20歳)
[ロサンゼルス・エンゼルス/外野手/右投右打]

 マイク・トラウトは2009年ドラフト1巡目、全体でも25位という高い評価でニュージャージー州の高校からロサンゼルス・エンゼルスに入団した外野手です。マイナーリーグの内野手だった父の影響で野球を始めたのですが、高校時代はフットボールやバスケットボールもこなす、いわゆる万能アスリート。プロ入り後もトントン拍子でマイナーの階段を駆け上がり、2011年7月8日、19歳で早くもメジャーデビューを果たしました。

 トラウトが注目される理由は、『アベレージ』『パワー』『スピード』『守備力』『肩の強さ』の5項目を高水準で備えた『ファイブ・ツール・プレイヤー』だからです。そのなかでもスピードが抜きん出ており、右バッターながら、打ってから一塁までなんと平均3.88秒。イチロー選手に近い数字を叩き出しています。平凡なショートゴロをセーフにでき、過去にはレフト線の打球を、相手がミスしたわけでもないのに三塁打にしたこともあります。2011年は40試合に出場し、打率.220・5本塁打・16打点という記録でしたが、マイナーリーグでは打率.326・11本塁打・33盗塁と大活躍し、『ベースボール・アメリカ』誌の栄えある『マイナーリーグ年間最優秀選手』にも選ばれました。

 今年のエンゼルスは『鉄壁の外野陣』を擁しています。センターには、ゴールドグラブ賞の常連トリー・ハンターをライトに追いやったピーター・ボージャスがいて、レフトはトロント・ブルージェイズ時代に3度、センターで同賞を獲得したバーノン・ウェルズもいます。どのポジションもハイレベルですが、高い守備力も併せ持つトラウトなら、この外野陣の一角を崩してレギュラーの座を獲得する可能性も十分にあるでしょう。

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