【MLB】松井秀喜の新天地はヤンキースではなくレイズ!? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 ただ、契約交渉は土壇場で何が起きるか分かりません。レイズ以外にも十分可能性は考えられます。他の有力候補を挙げるならば、レイズと同じア・リーグ東地区の古豪オリオールズです。現在、オリオールズは右打ちのゲレーロと再契約する意思はなく、左打ちの外野手とDHを探しており、これらの条件は松井選手にぴったり当てはまります。ただし、オリオールズは4年連続で地区最下位、そして14年連続負け越しと、今年も優勝戦線に食い込むのは難しい状況です。松井選手は優勝できるチームにこだわりがあるので、はたしてどうでしょうか。

 一方、ナ・リーグでも松井選手に興味を示しているチームがあります。西地区のロサンゼルス・ドジャースです。ナ・リーグは指名打者制ではないのですが、ドジャースは昨年レフトのポジションを27試合、計232イニング3分の1守ったことを評価。左の代打だけではなく、状況次第ではスタメン起用も考えているようです。また先日、ヤンキース時代の監督だったジョー・トーリが、経営破綻したドジャースの買収に名乗りを挙げました。さらに監督は、ヤンキース時代の打撃コーチだったドン・マッティングリーです。松井選手を良く知る彼らの存在も、ドジャース移籍の追い風になるかもしれません。

 そして今年は、ドジャースの本拠地ドジャースタジアム開場50周年の年にあたります。それを盛大に祝うために、ぜひ日本人スターの松井選手を迎え入れたいという思いもあるでしょう。ロサンゼルスはリトル・トーキョーがあるように、日本人コミュニティが強い街ですから。ポサダの引退意思報道を受けて、松井選手のヤンキース復帰が少し報じられましたが、その可能性はほとんどないと思います。ヤンキースは現在、高齢化からの転換を目指しており、DH候補にはすでに将来有望な若手の名前が挙がっております。はたして松井選手は今年、どこのチームのユニフォームを着るのでしょうか。

※カッコ内は2011年レギュラーシーズンの成績

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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