BC茨城の155キロ右腕・ペレズとは何者だ? 4年のブランクを経て日本にやってきたドミニカ出身の29歳にNPBスカウトも注目 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 写真提供/茨城アストロプラネッツ

 だが、2012年はわずか9イニングを投げたあとにトミー・ジョン手術を受け、以降は伸び悩んだ。結局メジャー昇格を果たせぬまま、2017年シーズンを最後に選手生活から退いている。

 色川GMによると、その後はアメリカの大学で投手コーチを2年間務めた後、パイレーツで同職へ。マイナーリーガーたちを指導しながら自身もキャッチボールやトレーニングを続け、ライブBP(実戦形式の打撃練習)で時折投げると98マイルを計測したという。スピードに加えて制球力もあり、スプリットやスライダー、ツーシームのキレもあるという情報を色川GMはキャッチした。

「155キロ前後のストレートに加えて140キロ前後のスプリット、130キロ前後のスライダーと、10キロ幅で各球種を持っています。これは十分に日本のトップリーグでやれる可能性があるだろうと思いました」

ペレズ獲得の意義

 4年のブランクを経て現役復帰するのは、日本ではなかなか例がない。逆にその点も魅力的だったと色川GMは語る。

「日本人の独立リーガーもそうですが、既存の仕組みや組織から外れてもなお野球がしたいとか、野球で人生を変えたい選手たちが独立リーグに集まってきます。いい意味で、再チャレンジの場所ということですね。デイビッドのように選手生活が4年間プツっと切れている選手の獲得は、独立リーグだからこそできると思います。茨城でシーズンを通して投げられると証明できれば、NPBへのステップが大いにあり得るだろうと考えました」

 冒頭で述べたように、昨シーズン途中、茨城球団はふたりの外国人選手をNPBに送り出した。これは獲得時から色川GMが狙っていたことだった。選手のキャリアが開けることに加え、球団には移籍金が発生するので経営的にも大きい。

 昨年には西武やオリックスなどで活躍したアレックス・カブレラの息子でメジャー経験もあるラモン・カブレラを獲得したように、"話題性"も重要なポイントだと色川GMは捉えている。

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