ドラフト戦線で北海道が熱い。脅威の20奪三振男、離島の快速左腕など大勢のスカウトが集結 (3ページ目)
奥尻島出身の知内・坂本拓己この記事に関連する写真を見る
奥尻島出身の快腕
門別と投げ合った知内の坂本は、中盤まで粘りの投球を見せていたものの守備の乱れもあり、6回4失点で降板。敗戦投手になった。
1回戦の駒大苫小牧戦ではボールが走らず、コントロールもまとまらず不本意な出来だった。だが、中1日で迎えた東海大札幌戦では、最速147キロの剛速球がうなりを上げた。
「コンディションを整えて、自分の持ち味であるストレートをコーナーに投げられたのでよかったです」
坂本がリカバリーに成功した一因に挙げたのは「交代浴」だった。湯船に2〜3分浸かり、冷水を1分浴びる交代浴を5セットこなした。
「体の血流がよくなって、不純物を汗で流して筋肉の張りがなくなるんです。体がすごく軽くなりました」
中学までは離島の奥尻島で過ごし、高校から道南の公立校である知内へと進学している。奥尻島出身の大先輩にはNPB通算165勝、名投手コーチとしても名を馳せた佐藤義則(元・オリックス)がいる。坂本は偉大な先人に続きたいと考えている。
「小学3年の時に奥尻島で佐藤さんが野球教室をやったことがあったんです。対象年齢が小学4年生以上だったので入れなかったんですけど、ずっと見ていて。島からプロになれるなんてすごいことですし、自分もそうなれるように頑張ります」
今のところ、進路は「プロを第一に」と考えているという。
ほかにも大型右腕の苫小牧中央の斉藤は変化球の制球が向上し、一躍ドラフト上位候補を伺うほどの実力と潜在能力を見せ始めている。全道大会は左ヒザの故障明けのため本調子ではなかったクラーク記念国際の辻田だが、今春センバツの九州国際大付戦で見せた11奪三振の快投は記憶に新しい。
道内で腕を磨く者も、道外で自分を試す者も、それぞれに等しく時間は流れる。今年の秋、いったい何人もの北海道関係選手に吉報が届くのか楽しみでならない。
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