「戦国・東都」は2部も逸材だらけ。佐々木朗希世代の152キロ左腕にスカウトも大興奮 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 細野は高卒3年目。つまりは佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)、宮城大弥(オリックス)らと同学年になる。佐々木が最速163キロを計測したU18高校日本代表候補研修合宿のメンバーに、細野も選ばれていた(春季大会期間中のため合宿は不参加)。

 プロで完全試合をやってのけてしまうような同級生の存在は、細野にとって刺激になるのか。それとも、別世界での出来事なのか。そう尋ねると、細野は質問に被せるように「いや、刺激になっています」と答えた。

「レベルが高いなかで、ああやって結果を残すのはすごいと思います」

 人材の宝庫である東都大学リーグには、細野以外にも楽しみな3年生が多い。1部を含めれば青山学院大の常廣羽也斗(投手/大分舞鶴)、中央大の西舘勇陽(投手/花巻東)、駒澤大の岩本皓多(捕手/関西)、亜細亜大の天井一輝(外野手/広島商)、国士舘大の重吉翼(投手/日本航空石川)といった好素材がひしめく。

 1部の全試合は東都大学野球連盟が運営する「プレユニ.TV」でも配信されるが、2部の試合は野球場へ行かなければ見られない。

 1部のチームにとっても、2部の動静は脅威でしかないはずだ。1部で戦う監督の多くは、優勝を目指す前に「入れ替え戦回避」を念頭に戦っている。一度でも2部に落ちれば、簡単に浮上できない恐ろしさを誰もが知っているからだ。

 シーズン終了後の6月には、東都大学リーグの1〜4部にまたがる入れ替え戦が行なわれる。生き残りをかけた熱い戦いは、まだ始まったばかりだ。

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