大阪桐蔭の圧勝Vとコロナ禍の因果関係。「晩熟選手」の出現で夏の高校野球勢力図は激変する⁉︎ (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 本塁打数が多かった大阪桐蔭や浦和学院は選手個々の技量が高いうえに、①の体力面を疎かにしない環境が整っていた証拠だろう。勝亦さんは「ある程度②③の能力があり、試合が成り立つ選手が多ければ、①を重視できると言えるかもしれません」とも語った。

 一口に「コロナ禍」といっても、地域や学校によって活動内容は大きく異なる。鳴門のように大会前の対外試合が一切できなかったチームもあり、単純な比較は難しい。それでも、今大会が全体的に早熟傾向だったこととコロナ禍は無関係ではなさそうだ。

 最後に勝亦さんは希望を込めて、こう語った。

「今回大会に出場していないチームに、潜在能力を秘めたまま眠っている選手も多くいると予想できます」

 今はまだ"休火山"であっても、密かにマグマをたぎらせ、夏の噴火が起きる可能性は十分にある。夏の甲子園では、スケールに満ちた大器の目覚めに期待しよう。

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