花巻東・佐々木麟太郎ら注目の2年生スラッガー3人。スカウトはどう評価したか? (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

初戦の敦賀気比戦で3安打を放った広陵・真鍋慧初戦の敦賀気比戦で3安打を放った広陵・真鍋慧この記事に関連する写真を見る

真鍋慧、佐倉侠史朗の評価は?

 佐々木ほどのインパクトはないが、"実戦派"として評価を上げたのが広陵の真鍋だ。期待された長打は出なかったが、初戦の敦賀気比戦では3安打。スカウトの評価は、長距離砲ではなく「アベレージを残せる中距離打者」で一致した。

「佐々木くん、佐倉くんとはタイプが違う。器用で、率を残す打ち方をしていますね。しっかりボールを待つ構えができているし、バットの出し方、スイング軌道がいい。無理に引っ張りにいかず、逆方向の意識があるのもいいですね。木製バットになっても、それほど苦労しないと思います。というか、木製バットのほうが合っているかもしれない」(セ・リーグスカウトB氏)

「リーチがあるのに、腕をたたんでインコースをさばける。巨人の坂本勇人みたいな打ち方ができる。ピッチャーへの対応力という点では、佐々木よりも断然、真鍋が上です。サイズ(189センチ、91キロ)もあるし、3人のなかでは一番技術があって、走攻守のレベルが高い。外野も守れそうだし、将来性はありますね」(パ・リーグスカウトC氏)

 課題は、センバツ2回戦の九州国際大付戦で苦しんだ左ピッチャーの外への変化球。ここを克服できれば、さらに評価は上がるだろう。

 チームがベスト8入りするなど、3人のなかで最も勝ち上がったのが九州国際大付の佐倉。真鍋との直接対決となった広陵戦で3安打、そのほかの2試合でも打点を挙げる活躍を見せたが、スカウトの評価はそこまで上がらなかった。

「バッティングに硬さがあり、まだ穴もたくさんあります。金属バットだから打てていますけど、今のままだと木製になって苦労するでしょう」(パ・リーグスカウトA氏)

「スイング自体は強さがあっていいと思いますが、ちょっと動きが鈍い印象があります」(セ・リーグスカウトB氏)

 史上最多となる高校通算111本塁打を放ちながら、プロで伸び悩む清宮幸太郎(早稲田実業→日本ハム)の例もあり、サイズが大きく、打つだけの選手の評価はプロも慎重にならざるをえない。

「高校時代の清宮は左ピッチャーの変化球に対して、腰が入らないスイングだった。守備もスローイングがよくなかったので、ポジションが限定されてしまう」(セ・リーグスカウトD氏)

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