大阪桐蔭の主砲に國學院久我山の切り込み隊長が「絶対に倒す」と挑戦状。中学時代のチームメイト対決が実現 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 齋藤の話題を向けると、海老根の目元に笑いじわが広がった。やはり海老根も齋藤の存在を意識していたのだ。

「中学の時から一緒に頑張ってきた仲間なので、ライバル意識はあります。今も中学時代も印象はあまり変わらないんですけど、相変わらずミート力があって、足も使えて、出塁率が高い、いいバッターだなと思います」

 齋藤が「海老根を絶対に倒す」と口にしていたことを告げると、海老根は何かを飲み込むように一拍置いてからこう答えた。

「次の試合も一戦必勝で、自分たちの野球ができればいいなと思います」

 それは平幕力士の挑発に乗らない、横綱のようでもあった。

 単純な戦力だけを見れば、大阪桐蔭の優位は揺るがない。それでも、波乱が起きるとすれば、下剋上に燃える切り込み隊長が風穴を開けるのではないか。3月30日の準決勝は、プレーボールのコールがかかった直後から目が離せない。

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