高校通算44本塁打の両打ちスラッガー、中日・根尾の元チームメイト...2022年のドラフト戦線を賑わす12人 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

昨年夏の甲子園で本塁打を放った高松商のスラッガー・浅野翔吾昨年夏の甲子園で本塁打を放った高松商のスラッガー・浅野翔吾この記事に関連する写真を見る 投打に豊かな才能を秘める選手では、田中晴也(日本文理)も要注意だ。2年夏の甲子園では初戦で敦賀気比に打ち込まれて敗れたものの、自己最速の147キロをマーク。185センチ82キロの恵まれた肉体に、しなやかな腕の振りと爆発力のあるリリース。夏の新潟大会で2本塁打を放った柔らかいスイングにも将来性が感じられる。今春の仕上がり次第ではドラフトの主役になりうる好素材だ。

 野手なら山田とともに右のスラッガーである浅野翔吾(高松商)が見逃せない。2021年夏の甲子園で本塁打を放った長打力が魅力で、高校通算44本塁打。身長171センチ、体重86キロと上背はないものの、飛距離を伸ばすセンスは高校生レベルを超えている。最近はスイッチヒッターにも挑戦しており、左打席でも3本塁打を放っている。2021年12月にはイチローから指導を受ける機会があり、今後の野球人生での大きな糧になりそうだ。

【東京六大学0勝の大型右腕】

 大学生の筆頭格は投打に高い能力を示す二刀流・矢澤宏太(日本体育大)だ。身長173センチ、体重70キロと体格的に際立つものはないものの、とにかく身体能力が図抜けている。投手としては最速150キロをマークし、2種類のスライダーを武器にする。野手としては打球にパワーを伝えられる打撃に、走守もプロで武器にできるほどハイレベル。2021年12月の大学日本代表候補合宿では、50メートル走(光電管計測機を使用)で候補選手トップの5秒80のタイムを叩き出した。

 現時点では野手として評価するスカウトが目立つが、投手としても着実に成長している。大谷翔平(エンゼルス)に続く本格的な二刀流誕生も夢ではない。

 右投手では1年時から存在感を見せてきた加藤泰靖(上武大)に期待したい。馬力のある最速153キロの本格派右腕で、カーブ、スライダー、フォーク、ツーシーム、カットボールと多彩な変化球も操れる。2021年6月の大学選手権では隅田に投げ勝ち、完封勝利を挙げた。最終学年にもうひと化けできれば、ドラフト1位指名も現実味を帯びてくる。

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