2年後のドラフトは争奪戦必至。4人のスーパー1年生が神宮大会で魅せた! (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

大阪桐蔭の神宮大会初優勝の立役者となった前田悠伍大阪桐蔭の神宮大会初優勝の立役者となった前田悠伍この記事に関連する写真を見る 一方、今後の課題について佐々木はこう語っている。

「まだまだ足りないことばかりなので。スイングの力をつけること、変化球への対応。レベルアップできることはたくさんあるので、チームのためにもレベルを上げていきたいです」

 大阪桐蔭の1年生左腕・前田の投球もセンセーショナルだった。背番号は14番ながら、実質的な大阪桐蔭のエースは全3試合に登板した前田だった。

 身長179センチ、体重75キロのスリムな体型に、ストレートの最高球速は145キロとスケールを感じさせるタイプではない。それでも、強いスピンの効いた好球質のストレート、両サイドに投げ分ける制球力、スライダー、カーブ、チェンジアップなど変化球の精度、相手打者を見下ろして投げるマウンド度胸。16歳にして「勝てる投手」に必要な要素をすべて兼ね備えている。

 今秋は大阪桐蔭の西谷浩一監督に前田について尋ねるたびに、「まだ1年生なので、細かいことは言わずにのびのびやらせています」という言葉が返ってきた。つまり、ほぼ手つかずの状態でこの秋は無双したわけだ。

 だが、前田本人はというと、「まだ『のびのび』という段階じゃダメだと思っています」と強気に語り、さらなる高みを見据えている。

 また、花巻東・佐々木への対抗意識を聞かれると、前田はこう答えた。

「実際に生で見たことがないのでどういう選手かはっきりしてないですけど、同じ1年生なので対戦したら負けていられないです」

 今大会は残念ながら直接対決は実現しなかったが、来春以降の2年間で両雄が相まみえる瞬間が訪れることを楽しみに待ちたい。

 明治神宮大会で準優勝に輝いた広陵には、真鍋慧という大型1年生スラッガーがいる。身長189センチ、体重89キロの長身で、準決勝の花巻東戦ではライトポール際へ飛び込む3ラン本塁打を放った。これが高校通算10号だという。

 広陵には10年前に丸子達也(現JR東日本)という左のスラッガーがいた。丸子があまりに打球を遠くまで飛ばすため、広陵のグラウンドが増設され「丸子ネット」と名づけられたという伝説を残している。

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