神宮大会で評価が上昇した5人の逸材。ドラフト候補へさらなるパワーアップに期待

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo yoshiyuki

 だが、今大会では自慢のストレートが思うように走らなかった。初戦の近大工学部戦では8回を投げ2安打、11奪三振、無失点と快投を見せたものの、「真っすぐがあまりよくなくて、スライダーがコントロールできたので試合をつくれた」と語っている。

 同じく関西五連盟から出場した龍谷大では、中澤嶺(2年/左投左打)がイキのいい投球を見せた。

 身長179センチ、体重73キロと細身でストレートの最高球速は145キロととりたてて驚く数字はない。だが、極限まで捕手に近づいてからリリースする球持ちのよさは、岩崎優(阪神)と重なる。

 リリーフ直後に「全国大会の空気に飲まれてしまった」と硬さから1失点したものの、3回を投げて神奈川大打線から4三振を奪うなど能力の高さを見せた。

「ストレートは伸びのある球を投げられて、いつもよりよかったと思います」

 比叡山から入学して2年目。本人は強いプロ志望を持っており、今後の抱負を聞くと威勢のいい言葉が返ってきた。

「4年間で絶対にプロに行くイメージでやってきました。残り2年で全国に通用するピッチャーになりたいです」

 明治神宮大会もいよいよ残すところあと少し。それぞれに手応えと課題を残して、季節は冬へと向かう。再び暖かい季節が到来したとき、彼らのさらなるパワーアップした姿が見られることを祈りたい。

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