2021.11.18

怪物・佐々木麟太郎だけじゃない。神宮大会で見逃せない2022年のアマチュア球界を賑わせる大学・高校の逸材たち

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

最速151キロを誇る九州産業大の渡辺翔太最速151キロを誇る九州産業大の渡辺翔太 この記事に関連する写真を見る  高校の部で最後に紹介したいのは、大阪桐蔭の1年生左腕・前田悠伍。チーム内には別所孝亮、川原嗣貴、川井泰志といった2年生の有望株がいるが、現時点でチームの実質的なエースは前田だ。

 現段階で球速は140キロ前後と際立つものはないものの、指にかかった好球質で打者の手元で伸びてくる。変化球の精度、コントロール、マウンド度胸と投手に必要な要素をすべて兼ね備える。こんな実戦派左腕が順調に成長したら、大阪桐蔭に太刀打ちできるチームなど存在しないのでは......思ってしまうほどの逸材だ。

 大学の部は最上級生にとって最後の晴れ舞台。スタンドには「大学野球の卒業式」といったムードが漂う。

 今大会の出場校のなかには、今秋のドラフト会議で指名された選手もいる。その顔ぶれをおさらいしておこう。

正木智也(慶應義塾大→ソフトバンク2位)
福永奨(國學院大→オリックス3位)
渡部遼人(慶應義塾大→オリックス4位)
梶原昂希(神奈川大→DeNA6位)
川村友斗(仙台大→ソフトバンク育成2位)
川村啓真(國學院大→西武育成4位)
坂田怜(中部学院大→広島育成4位)

 来年以降のドラフト候補という観点では、飛び抜けて目立つ存在は見当たらない。それでも、増居翔太(慶應義塾大3年)、渡辺翔太(九州産業大3年)、木村光(佛教大3年)といった実戦派投手が出場する。

 増居は彦根東時代に甲子園で活躍した左腕。171センチ、68キロと小柄ながらホームベース付近でも球威が落ちず、打者にフルスイングをさせない。今秋まで東京六大学リーグ通算7勝1敗をマークし、和田毅(ソフトバンク)を彷彿とさせる投球スタイルだ。

 渡辺は好素材揃いの九州産業大投手陣でも頭一つ抜けた大エース。最速151キロの快速球にカットボールなど精度の高い変化球を扱う。今秋は福岡六大学リーグで4勝0敗、防御率1.21と安定していた。

 木村は173センチ、71キロと上背はないものの、力感のない腕の振りから加速感のあるストレートが魅力。今春の大学選手権では東京ドームで最速148キロをマークし、130キロ台のスプリットとのコンビネーションが光った。