智辯和歌山・伊藤大稀が中学時代に起こした奇跡。野球部をつくった仲間たちへの想い (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 近藤さんはこの夏、智辯和歌山の試合をほとんど見に行った。伊藤の変貌ぶりに興奮を隠せなかったという。

「フォームはかなり変わって、リズムも中学時代とはまるで違いました。体に力がついて球が速くなったし、変化球もよく曲がっていた。(2回戦の)箕島戦(1回2奪三振0失点)を見て、『これは使われるな』と思いました。まさか決勝で投げるとは思ってなかったですけど(笑)」

 大きく進化した裏で、変わらないものもあった。近藤さんは伊藤のマウンドでのたたずまいに注目した。

「大稀は『自分』を持ってる人なんですよ。メンタルが強くて、ピンチでも『オラァ!」と気持ちを出して投げる。そこは中学時代から変わってないなぁ......とうれしくなりましたね」

 甲子園に出場した智辯和歌山は初戦で宮崎商の不幸な出場辞退もあり、高松商との3回戦が初戦だった。26日には石見智翠館と準々決勝を戦う。

 背番号18の出番はあるのか。笠田中出身の12名のメンバーたちは、伊藤大稀の強気の投球を心待ちにしている。

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