異色経歴の監督と有名TikTokerを擁する高知中央女子野球部。驚きの練習量で甲子園での決勝の舞台に立つ (2ページ目)

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • Photo by Terashita Tomonori

 取材1日目は午前中に、主将の氏原まなか(3年・一塁手)やエースナンバーを背負う和田千波留(2年)が所属していた女子小中学生チーム「高知家ガールズ」の練習試合をサポート後、ランナー付きノックをたっぷり3時間。

 2日目は朝から全国トップクラスの神村学園(鹿児島)とのダブルヘッダーを戦ったあと、再びランナー付きノックを約2時間。ノッカーの西本晃平部長が最後はヘロヘロになるなかにあっても、彼女たちは誰ひとり足をつることもなく、平然とボールを追い、練習後も涼しい顔をしていた。

 近年は男子野球部でも短時間で効率を上げる練習が主体となりつつあるなか、豊富な練習量をこなす原動力とはーー。

「女子は男子との筋力差はありますが、それでも男子の高校野球に中身を近づけたいと思っています。ですからウチはどことやっても耐え抜く走り込み、体力・気持ちを持っていく練習をしてきました」と西内友広監督は語る。

 松坂世代で安芸高時代には高知商の藤川球児(元・阪神タイガースなど)とも対戦した指揮官の球歴は異色。ブルペン捕手を務めた四国学院大卒業後、岡山県内で4年ほど野球とは無縁の生活。27歳で高梁日新(岡山)男子野球部の監督に転じ、わずか3年でチームを県ベスト8へと導くと、次は地元の高知中央男子野球部へ。ここでは関西(岡山)、沖縄尚学(沖縄)といった甲子園常連校を指揮した経験を持つ角田篤敏監督(現・玉野商工)の下でコーチなどを務め、「選手の気持ちを高める方法」を学んだ。その後、室戸(高知)で女子野球部を2年間指導し、高知中央では女子野球部の立ち上げから関わっている。

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