大注目の風間球打が甲子園で見せた「2つの顔」。150キロの球速だけじゃない魅力 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 風間の"熱"を感じるのは投球だけではない。ひとたび左打席に入れば、フォロースルーの大きなスイングで相手バッテリーを威圧する。そして、投手ながらベースランニングで手を抜くことが一切ない。15日の試合でも併殺コースと思われた内野ゴロで全力疾走し、併殺を免れるシーンがあった。人々の心を打つ走り姿だった。

 最速157キロのスピード、真上から投げ下ろす角度、空振りを奪える変化球、底の見えないポテンシャル。風間の投手としての武器は多いが、この日見せた「2つの顔」はそれらの武器を一層生かす内面的な強さと言えるだろう。

 ノースアジア大明桜は大会8日目(8月20日予定)の2回戦で明徳義塾(高知)と対戦する。高知大会決勝戦で森木を攻略した試合巧者を相手に、風間はどんな投球を見せるのか。そして、「クレバーさ」と「熱さ」のほかにも新たな顔を見せるのか。その結果は大会の行方どころか、ドラフト戦線の行方をも左右しかねない。

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