2021.08.08

本命なき「夏の甲子園」を予想してみた。軸は投打充実のイチローの母校か⁉︎

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 大阪桐蔭にとってなにより大きいのは、大阪大会で粘り強さが磨かれたこと。準々決勝の金光大阪戦では3点差を逆転し、準決勝の関大北陽戦では延長14回のタイブレークを制した。そして決勝の興国戦でもサヨナラ勝ちと、いずれも苦しみながらも勝利したことでチーム力は向上した。

 投手陣も、センバツでは制球に苦しんだ左腕の松浦慶斗が変身。スピードよりも制球力を重視するスタイルで23イニングを投げて4四死球と、計算できるようになった。また、2番手にはU-15日本代表の竹中勇登も控えており、層は厚い。大阪大会で登板なしに終わった関戸康介の復調が待たれる。

 センバツ8強の智弁学園は、この夏はつなぐ野球でチーム打率.407をマーク。高校通算35本塁打のスラッガー・前川右京も打率.643、0三振とミート中心のバッティングでチームの勝利に貢献した。

 投手陣も左の西村王雅、右の小畠一心と経験豊富な左右の二枚看板を擁し、センバツ以上の成績を目指す。

 昨年春に村田浩明新監督が就任した横浜は、神奈川大会7試合で100安打、チーム打率.469の強力打線に注目が集まるが、四死球もチーム全体で42個選んでおり、ただ打つだけじゃなく、いやらしさも加わり、相手投手は抑えるのに苦労するだろう。

 投手陣は、1年生左腕の杉山遥希を中心に神奈川大会は6人の投手が登板し、7試合で8失点と抜群の安定感を誇った。投打とも戦力は充実しており、再び強い横浜を印象づけられるのか、初めての甲子園となる村田監督の采配も楽しみだ。

 この上位5校に続き、侮れない実力を誇るのが、ともに今春のセンバツを経験している県岐阜商、広島新庄の2校だ。

 県岐阜商は、センバツでは市和歌山の好投手・小園健太の前に完封負けに終わったが、互角の戦いを見せた。左腕エースの野崎慎裕は、岐阜大会で14回1/3イニングを投げて3失点、1四死球と好投。控えの小西彩翔、大島成憧、松野匠馬の3人も140キロを投げる力があり、投手陣は出場校のなかでも屈指だ。また、岐阜大会で3本塁打を放ったプロ注目の捕手・高木翔斗にも期待が集まる。