横浜高校OBが語る「松坂大輔以上の逸材」。すべてがずば抜けていて「大谷翔平に近かった」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――ダルビッシュ有投手、大谷翔平選手、藤浪晋太郎投手、佐々木朗希投手など、今では多くの長身の投手が活躍していますが、イメージとして近い投手を挙げるとすれば誰になりますか?

山本 それらの選手に比べると丹波のほうが少し低いですけど、大谷選手に近いんじゃないかな。ピッチングだけでなくバッティングもよくて、常に落ち着いていました。僕たちが卒業したあとのことですが、亡くなる少し前の練習試合では、ノーヒットノーランを2回達成したり、何本もホームランを打ったりしていたみたいですし。

 これは後から聞いた話なんですけど、走ることも含めて、めちゃくちゃ練習していたらしいです。誰よりも一番練習していたと。そういうところを周囲の人間がちゃんと見ていたんでしょうね。

 寮の外でバットを振っていたのか、シャドーピッチングをしていたのかはわかりませんが、それだけ野球が好きだったんでしょう。僕なんかは練習だけで疲れ切って、ぐーすか寝てましたよ(笑)。

――体格はどうでしたか?

山本 直前まで中学生だったとは思えないほど、出来上がってました。ただ、僕らが知っている丹波は1年生でしたから、あくまで「1年生にしては」という範囲ではありますけど。今の大谷選手じゃないですけど、筋トレなどをしていったら、もっとすごい体になっていたでしょうね。才能も飛び抜けていたので、仮に高卒でプロに行っても十分にやれたと思いますね。

――渡辺元監督は、かつてテレビ番組(TBSテレビで2018年11月18日に放送された『消えた天才』)の中で、丹波投手のことを「ほとんど非の打ち所がない、あまりにも完璧すぎちゃって」「同じ年代であれだけ慕われて、認められた選手はいない」と絶賛されていました。

山本 丹波は野球だけじゃなくて、成績が優秀で頭も良かったと聞いています。実際に接していて感じたのは、統率力があるというか、コミュニケーションの取り方も大人でしたし、落ち着いていてどっしりと構えていました。ガッツポーズなどで感情を表に出すことはないけど、内に秘めた熱さがある感じでしたね。選手や指導者の人たちにも信頼されていたと思いますし、3年生になったらキャプテンになるような存在だったと思います。

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