元ソフトバンク島袋洋奨が母校で指導者に。甲子園優勝経験を育成に生かす (3ページ目)

  • 加来慶祐●文・写真 text & photo by Kaku Keisuke

 そう語る島袋だが、高校時代に残した「闘争心」と「エースの矜持」はしっかりと下の世代に受け継がれている。

 今年、開幕からオリックスのローテーション投手としてブレイク中の宮城大弥は、島袋にとって小中高の後輩にあたる。年齢は9歳離れているため直接関わりはないが、二度の甲子園出場を経てドラフト1位でプロ入りした宮城もまた、島袋を筆頭に「興南のエース」のプライドを継承してきたひとりである。そんな宮城の活躍を、島袋は我がことのように喜んでいる。

「すばらしいとしか言いようがないですね。すでにパ・リーグを代表する左腕と言ってもいいと思います」

 これからは宮城のような投手をひとりでも多く育てることが使命となる。そして最後に島袋はこんな話をしてくれた。

「野球部に復帰することが決まった時、高校時代のユニフォームを引っ張り出して着てみたんです。『まだちゃんと入るな』と思って......気が引き締まりました」

 指導者として第二の野球人生をスタートさせた島袋。これからの活躍が楽しみでならない。

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