東海大菅生の元日本代表バッテリー、驚異の経験値。センバツ優勝を狙う (3ページ目)

  • 高木遊●文・写真 text & photo Takagi Yu

「(本田、福原を含め)1、2年生が5人ほど夏の独自大会に出ていましたし、勝ち方を知っていたのは大きかったです」(若林監督)

「その先に甲子園がないとわかっていても、先輩たちは本気で勝ちにいっていました。その姿を見ていました。夏は失投が多くて...秋は自分が引っ張らないといけないと思いました」(本田)

「(昨年の夏は)応援してくれる3年生のためにも一生懸命やらないと、と思いました。3年生から『おまえらで甲子園に行ってくれ』と言われていたので、甲子園でも優勝して恩返しをしたいです」(福原)

 普段は選手に厳しく接する若林監督もふたりの評価は高い。昨年秋の都大会決勝で7回を1失点に抑えたことに「甲子園のかかった試合であれだけの投球ができる。心臓が強いですよね」と精神力の強さを称え、福原については「周りが見えていて落ち着いている。(僕が)怒るようなことはしませんね(笑)」と精度の高いプレーに舌を巻く。

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 2月23日のセンバツ組み合わせ抽選会の日に行なわれた練習でもふたりの存在感は光っていた。

 紅白戦に登板した本田は最速143キロのストレートにキレが増し、変化球もスプリット、フォーク、カーブ、スライダーを駆使し、着実に投球の幅を広げている。

 福原も、紅白戦前のシートノックで味方のミスが連鎖し、若林監督から厳しい声が飛んだなかでも、難しい打球をいとも簡単に処理。プレー精度の高さは健在で、本田が「福原は全部が天才。嫉妬しますよ」と笑うほどだ。

 中学時代に国際舞台を踏んだ彼らが、その経験値と成長ぶりを存分に見せつけることができれば、東海大菅生のセンバツ制覇も夢ではない。

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