甲子園を沸かせた右腕がどん底からV字回復。プロ2軍相手にも好投→ドラフト戦線へ (3ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

「今日感じたんですけど、プロのバッターは真っすぐのボール球を振ってくれませんでした。変化球の精度を高めつつ、いかにストライクゾーンで勝負できるかが大事だなと。アマチュアでは振ってくれても、このレベルになると振ってくれないので」

 法政大は三浦のほかにも古屋敷匠眞(ふるやしき・たくま)、山下輝(ひかる)と4年生の好投手が登板し、4番・センターとして岡田悠希が出場した。ドラフト候補が揃い踏みとあって、この日はバックネット裏に9球団23人ものスカウトが集結した。

 古屋敷は最速150キロを計測するなど、2回を打者6人で抑える好投。左ヒジの手術歴があるため春先はスロー調整だった山下は、試運転の様相ながら1回無失点だった。岡田はプロのレベルの前に2三振と力を出せなかったものの、運動能力を含めた素材の高さはシートノックから伝わってきた。

廣畑敦也は若獅子賞の活躍でドラ1候補へ>>

 あるスカウトは三浦について「ようやくいい時のボールに戻ってきましたね」と評価した。その一方で「コントロールは下級生の頃のほうがよかったので、これからでは」と指摘するスカウトもおり、今後の課題になっていきそうだ。4月開幕予定のリーグ戦開幕まで、時間は十分にある。

 三浦は「今は真っすぐの強さを求めています」と語った。

「高めでも低めでも、バッターのスイングに負けないボールの強さを意識しています。そこから徐々に微調整して、コントロールの精度も高めていけたらと考えています」

 大学3年間のリーグ戦通算成績は8勝7敗。突き抜けた結果は残せていないが、今の三浦には最終学年に集大成を見せてくれそうな雰囲気が漂う。その先にはドラフト会議が待っている。

「まだまだ、これからですけどね」

 試合後に気を引き締める三浦の表情は、じつに晴れ晴れとしていた。

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