甲子園を沸かせた右腕がどん底からV字回復。プロ2軍相手にも好投→ドラフト戦線へ (2ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 新体制になってから投手としては珍しく主将になり、背番号10をつけて大学最終学年に臨んでいる。

 3月5日に横須賀スタジアムで行なわれたDeNA二軍とのオープン戦で、三浦は先発マウンドに立った。立ち上がりは「プロを相手に投げるのは初めてだったので、めちゃくちゃ緊張しました」と硬さがあり、2番打者の山本祐大にレフトスタンドにホームランを浴びた。

「インコースの厳しい球だったと思います。インコースを見せてから、アウトコースで打たせようと思っていたところで、ボール球でもいいつもりで投げたんですけど。あれをホームランにするのだから、やっぱりプロはすごいですね」

 文字どおりプロの洗礼を浴びた三浦だが、本塁打を打たれたことでかえって冷静になれたという。2回一死からは6者連続奪三振をマーク。前の打席で痛打を浴びていた山本には「打たれた球で抑えたい」と負けん気を見せ、147キロのストレートで空振り三振を奪った。

 試合後、三浦は充実した表情で対戦を振り返った。

「真っすぐが走っている自信がありました。(山本が)さっきと同じようなスイングだったので、真っすぐで押したいなと。イメージどおりの空振りが取れました」

 昨年までは投手コーチとして、今年から監督として三浦を指導する加藤重雄監督はこのように評価した。

「一発は打たれましたけど、自分のピッチングはできていました。空振りの三振が多かったですし、自分の思ったとおりの回転のいいボールが投げられていたと思います」

 スライダーのコントロールも上々だったが、ここぞの場面ではストレートで勝負した。4番打者の伊藤裕季也との第2打席では、カウント2ボール2ストライクから4球続けてストレート。ファウルで粘られても、最後はこの日最速の148キロで空振り三振を奪った。4回を投げて被安打1、奪三振7、与四球2、失点1の好結果が残った。

 初めてプロのレベルを体感して、三浦は投手として必要な要素を感じたという。

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