廣畑敦也は若獅子賞の活躍でドラ1候補へ。武器は最速154キロの直球と強心臓

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • Photo by Terashita Tomonori

【新たな引出しと成長でオンリーワン右腕へ】

 もちろん、これらの強い意思は周囲にもよく伝わっている。

「今年は周りからのプレッシャーもあるなかで精神的強さが仕上がって来ていると感じるし、一つひとつをクリアして次に進んでいる印象がある。フォームも安定しているし、バランスを重視して投げてもストレートにキレがある。ここから上がってくれればいいと思います」

 そんなコメントを残した某球団スカウトを含め、複数の球団関係者が詰め掛けた3月3日の香川オリーブガイナーズ(独立リーグ・四国アイランドリーグplus)とのオープン戦では、最速151キロのストレートに加え、「相手がストレートを狙っている中で効果的に使えた」と振り返る140キロの高速スライダーでバットを粉砕する引き出しも見せた。

「ストレートのエグさはあるので、今年はエグい変化球を覚えてドラフト1位で(プロへ)行ってほしい」と、かつてルートインBCリーグ・石川ミリオンスターズでドラフト指名を目指したチーム2本柱の一角・矢部佑歩投手が寄せる期待にも廣畑は着実に答えを出そうとしている。

 チームの今年初の公式戦となる3月9日からの東京スポニチ大会で廣畑は全試合リリーフ待機となりそうだが、「いろいろなチームが僕を意識して対戦する中で、いろいろな課題を得たい」と既にテーマは設定済。まずは社会人日本選手権、都市対抗の社会人野球2大全国大会出場を目標とする。

 その先は「縁と運があれば、必要としている球団に行きたい」と、ドラフト指名を目指している。彼の先には、観客の興味を大いに惹きつけるオンリーワン投手としての称号が待っているのだろうか? 注目が集まる。

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