2021ドラフトの主役となるか。近畿で輝いている4人の大物投手たち (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Sankei Visual

 それから1年後、エースとして登場した近畿大会では初戦の乙訓(京都)戦で5安打、13奪三振の1失点完投。試合後、「今日は初回から真っすぐで押せていけたのがよかった」と振り返り、自身の投球へのこだわりについても語った。

「意識しているのは(タテの)角度です。コロナによる自粛の間、リリースポイントを少し高くするようにして、今まで以上に角度がついたと思います。真っすぐの角度がついたことで、自然とフォークもよくなってきました」

 細身の体に長い手足。テイクバックではその長い手をコンパクトにたたみ、大型右腕にして"品のいいフォーム"。その雰囲気は今シーズン限りで現役を引退した岩隈久志を彷彿とさせる。

◆甲子園記念大会の奇跡、白山高校の今>>

 連投となった準々決勝の大阪桐蔭戦では、2回までに4三振を奪うなど快調なピッチングを見せていたが、3回に4点を失うと、その後も踏ん張れずに7回11失点でコールド負け。10奪三振と意地は見せたが、今後はストレートのレベルアップが大きなカギになりそうだ。

 野手にも、前川、徳丸天晴(智弁和歌山)、池田陵真(大阪桐蔭)といった魅力的な強打者が揃っているが、まずはドラフト上位候補と評されている投手4人の成長が楽しみだ。

 多彩な小園、"ムーバー"松浦、スピードの関戸、角度の達。彼らがこの冬を越えてどんな姿を見せてくれるのか。それが秋の評価にもつながってくる。

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