中日ドラ1高橋宏斗の中京大中京に
「則本二世」の本格派。センバツ出場も濃厚

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 この日、投げた球種はストレート、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ。とくに左打者には落ちるチェンジアップが有効だった。この球種をいつ習得したのかを聞くと、畔柳は意外なことを教えてくれた。

「2、3カ月前に(高橋)宏斗さんがアドバイスしてくださって、ツーシームの握りを自分なりにアレンジしてチェンジアップとして投げるようにしました。フォークのようにボールを挟んで、抜く感じで投げます。この球種ができたことで、ピッチングに幅が広がりました」

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 高橋監督は畔柳の成長に目を細める。

「これまでは日によってボールが先行したり、変化球がストライクゾーンにこないときもあったり、どうしても力勝負しているところがありました。でも、今は抜くところは抜いて、沈む球(チェンジアップ)やカーブを有効に使えるようになってきました。大会を通じて、試合のなかでレベルアップしています」

 本人の自己評価は「宏斗さんにはすべてにおいて及ばない」と辛口だ。それでも、偉大な先輩の背中を追い、「越すためにやっている」と畔柳は意気込む。いささか気が早いが、高校卒業後のことを聞いてみたものの「まだ何も考えていない」という。

 気迫のこもったマウンドさばき。打者のバットを押し込む球威のあるストレートと、巧みにタイミングを外す変化球。まさに則本昂大の姿が重なる剛腕は、さらなる高みを目指している。

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