公立の名将が狙う3度目の甲子園。攻撃野球でヒガハリ旋風を巻き起こせるか (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 今年3月以降は、コロナの影響で数カ月練習できない時期があったが、松本直樹副部長が自らベースを周るなどモデルを務めて動画を作成し、それをLINEで選手に送りながら細かな指導を行なった。そのなかで原を独り立ちさせ、練習再開後もチームを牽引するよう自覚を植えつけた。

「このチームがここまで勝ち進めたのも、コロナの期間中に独自大会へ向けた3年生の陰で、主力となる1、2年生をメンバーから外して、秋へ集中させる準備がしっかりできたからだと思います」

 そう語る福村監督だが、ここまで「長い」と感じた理由は何だったのか。

「加古川北では監督になって6年目に甲子園に行けたんです。東播磨でも、なんとか6年以内に行けると思えた学年もありました。でも、現実はそううまくはいかなかったですね。だから、ようやくここまで来られたという感じです」

 アグレッシブな指揮官のもと、東播磨の愛称でもある"ヒガハリ"旋風が今秋吹き荒れるか。近畿大会でも果敢に攻め続け、初の甲子園切符を掴みとる。

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