一芸でプロ入りを目指す隠れた逸材たち。大化けの夢が広がる6選手 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 6人目は投手。投手にもさまざまなタイプの一芸選手がいるが、ここでピックアップしたいのは「特殊な変化球」を持つ投手だ。

 今秋、ヒジの故障から復活してドラフト戦線に戻ってきた小郷賢人(東海大)は必殺のタテスライダーを武器にする。ストレートの球速も最速155キロと速いのだが、それ以上にタテに鋭く落ちるスライダーのインパクトが大きい。東海大では守護神を務めていたように、プロでもリリーフとして期待したい存在だ。

 小郷は自身のスライダーの投げ方について、このように語っている。

「切るのではなく、抜く感じで、速いカーブを投げるような感覚です」

 プロの強打者相手でも、小郷のスライダーに腰砕けになって空振りするシーンが思い描ける。わかりやすい武器を持った投手なのだ。

 一芸選手は武器がある反面、課題を抱えているケースが多いためスカウトによって評価が分かれやすい。だが、彼らがドラフト会議で指名され、勝負のステージに立てさえすれば、きっとバランス型の選手にはない突出した魅力を放つはずだ。

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