元プロ監督「岡本和真を目指せる」。智辯和歌山の4番は名前も体格も見事だ (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 1年夏に出場した甲子園では、3試合で4番に座り打率.200。3回戦で対戦した星稜・奥川恭伸(ヤクルト)からは3三振を喫した。

 秋の大会では「まったく自分のバッティングができなかった」と、状態を崩して打率.276と低調。今夏の甲子園交流試合では尽誠学園(香川)を相手に2安打を放ったものの、ともに1対8と試合の大勢が決した後のシングルヒットで、強い印象を残すものではなかった。

 体は大きく、パワーも十分。だが、1年時はスイング軌道が少し外回りする傾向があった。徳丸は当時を振り返る。

「去年の秋はバットがなかなか内から出なくて、バッティングを崩してしまいました。やっぱり内側からバットを出さないと飛ばないので、練習から量を振って整えています。今では意識しないでも振れるようになってきました」

 智辯和歌山の中谷仁監督は「体にキレを出して、インコースのボールにもクルッと回れるような瞬発力がほしいですね」と徳丸に注文をつけつつも、「彼は4番らしい体つきと努力ができる人間なので、もっとうまくなれると思います」と評価する。

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 最上級生になった今、徳丸が取り組んでいるテーマは「4番らしさ」だという。

「4番として、試合のなかでどういったスイングをするか。夏くらいから、4番としての振る舞いを学ばせてもらっています。まだまだできていませんけど、球場に入ったら4番らしく堂々とするように心がけています」

 時間があれば動画サイトでプロの4番打者の映像を目に焼き付け、その雰囲気を自身に取り込もうと腐心しているという。

 徳丸に4番らしさを身につけるよう指令を出したのは、もちろん中谷監督である。中谷監督自身が思い描く「4番らしい4番」とはどんなものなのか、聞いてみた。

「難しいですけど、ここ一番で結果を出してくれる選手ですね。同じ智辯学園である岡本くん(和真/巨人/奈良・智辯学園出身)は、徳丸が目指すべきところではないかと思います。プロでも右打ちの強打者は数少ないなかで、徳丸はそれを目指せる選手ですからね」

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