好捕手ひしめく高校生ドラフト候補。
成田の逸材は抜群に「動ける」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 身長175センチ、体重80キロとドラフト候補としては小柄な部類に入る。だが、アグレッシブなプレースタイル、リードする投手や対戦相手の機微を見極める分析力、本人も自信を持つコミュニケーション能力は無形の財産として自身の野球人生を助けそうだ。

 そんな古谷も、今夏はもうひとつ調子が上がってこないと悩んでいた。前出のファウルチップを受け、治りきる前に我慢して練習したため、「動きに変なクセがついてしまった」と言うのだ。

甲子園交流試合No.1スラッガーは? 強打者12人のスカウト評>>

 打撃面ではタイミングの取り方に四苦八苦し、守備面ではノック中の大暴投のようにボールが抜けてしまうケースが見られた。そして、続く4回戦で成田は銚子商に6対8で敗れ、夏の公式戦を終えた。

 とはいえ、古谷のエネルギッシュなプレーぶりは多くのスカウトの目に留まり、その価値も高まったはずだ。古谷はこんな思いを抱いて、常にグラウンドに立っているという。

「野球は常に全力でやると決めています。落ち着く必要はないと思っています」

 8月15日にはプロ志望届を提出している。泥にまみれることをいとわず、ひたむきにチームの勝利を目指す。古谷将也のプレーには人の心を打つ力がある。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る