2020.08.26

プロ注目の高校野球「2世選手」たち。
偉大な父に匹敵する能力に期待

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 夏の大会前に「転校生バッテリー」のひとりとして話題になった吉田行慶(帝京長岡)は、ロッテなどで主にリリーフ投手として活躍した吉田篤史の次男である。昨年4月に東京の帝京から転校し、それから1年間、規定により公式戦に出られない時期を耐え、今夏はエースとして好投を見せた。

 甲府工の強打者・山村貫太は、近鉄、楽天などで投手として活躍した山村宏樹の長男。父も野球部の非常勤コーチとしてサポートし、今夏は山梨独自大会3回戦で優勝校になる東海大甲府に0-2で敗れたものの、名門復活の狼煙(のろし)をあげた。

 2年生では、前田晃宏(慶應義塾)。通算2119安打の広島の天才打者・前田智徳を父に持つが、晃宏は右投右打の投手として勝負する。小学6年時には広島ジュニア、中学時代にはJUNIOR ALL JAPAN(通称NOMOジャパン)に選出された実績があり、高校1年時から公式戦マウンドを経験している。

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 父が大学野球部の有名監督という2世選手のケースもある。


 今秋のドラフト候補に挙がる長身遊撃手の蔵田亮太郎(聖望学園)は、父が福山大監督の蔵田修。高校入学時に広島から埼玉に越境入学して、柔らかい攻守を武器に台頭してきた。ヒザ痛などの故障やコロナ禍の影響で派手なアピールはできていないが、そのポテンシャルの高さはプロのスカウトも注目しており、プロ志望届を提出している。

 1年時から潜在能力の高さを見せていた中村敢晴(筑陽学園)も、将来楽しみな遊撃手だ。父は現役時代に西日本短大付で全国制覇を果たし、指導者としても日本文理大で大学日本一に導いた中村壽博。下級生時は細身だった敢晴だが、徐々に力強さを増してきている。なお、兄・宜聖はソフトバンク育成のプロ野球選手だ。