仙台育英、敗戦も悲願の日本一へ。大器の2年生両腕がしっかり成長中 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

「ピッチングではまだキレが出ていないし、球速も世代を代表するものではありません。これからは完成度を求めていきたいです。バッティングは勝負どころで打てていないので、相手にとっては簡単に抑えられない、やっかいなバッターになりたいです」

 ふたりの進化は仙台育英が追求するスローガン「日本一からの招待」のカギを握っている。それと同時に、2021年のドラフト戦線にも大きな影響を与えるに違いない。

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 今夏はすでに風間球打(ノースアジア大明桜)、小園健太(市和歌山)、関戸康介、松浦慶斗(ともに大阪桐蔭)、達孝太(天理)といった2年生投手の台頭が伝えられている。

 また、2年前の全中決勝で伊藤、笹倉を破って全国制覇し、互いに強くライバル視し合っている森木大智(高知)も密かに爪を研いでいる。

 伊藤は強力なライバルたちの存在を意識しつつ、「回転数とか、ボールの質は負けるわけにはいきません」と対抗心をむき出しにした。

 伊藤と笹倉にとっての高校野球生活は残り1年。己の力を高め、数々の強敵をねじ伏せたその先に、「日本一からの招待」が待っている。

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