2020.08.11

スカウト注目の大分商・川瀬が粘りの投球。
気になる進路は大学かプロか

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 しかし、5月20日に全国高等学校野球選手権大会および大分大会の中止を受けて、大分県高野連は独自大会の開催を発表。つづいて、センバツに出場予定だったチームを甲子園に招待し、それぞれ1試合のみを行なう「甲子園交流試合」の開催も決定した。川瀬は「心の針が0から100に振れた感じ」と、プロ志望の思いが再燃する。

「関西遠征では打ち込まれましたが、やられたのは失投ばかり。『えっ、このボールを持っていかれるんだ』というヒットは1本もありませんでした。関本くんや明石商の来田(涼斗)くんを無安打に抑えたことも大きかった。

 たとえ全国レベルの相手でも、ギアを上げれば抑えることができた。繰り返しますが、打たれたのは失投です。だからこそ、変化球の精度を上げる必要性を痛感することになりました。そこを実戦のなかで確認できただけでも、関西に行って打たれた甲斐はあったと思います」

「史上最大の大誤審」。主将が目にしたグラウンド内外の混乱 >>

 そして今回の「甲子園交流試合」で川瀬には2つの目標があった。ひとつは「150キロを出すこと」。もうひとつは「川瀬堅斗を見てもらうこと」だった。

 残念ながら150キロ到達はならなかったが、大勢いるスカウトたちの前でピッチングを見てもらうことは果たせた。とくに川瀬が見てほしかったのは「投手としての総合力」だった。

 マウンドさばき、バント処理などのフィールディング、打者に向かう気持ち......たとえ自己満足であっても、見せつけることができたという手応えをつかむことができれば、迷うことなくプロ志望届を提出すると言っていた。

 甲子園のマウンドに立った川瀬は、花咲徳栄相手に8回を投げて被安打8、失点3。5つの三振を奪ったが、大舞台での緊張感からか上体が突っ込み、7四死球と制球に苦しんだ。

 だが中盤以降は変化球の制球力がアップし、ストレートの比率も高くなっていった。失点したのは初回の3点のみで、その後は得点圏にランナーを背負うも踏ん張った。

 はたして、この日のピッチングで手応えを感じることはできたのだろうか。進路についての明言は避けたが、8月末に甲子園で行なわれる合同トライアウト参加の可能性も示唆している。

 もしトライアウトを受けるのなら、その時はかつてのような"速球派"の川瀬を見てみたいと思っている。余計なお節介だとは思いつつ、ストレートでガンガン押す川瀬のピッチングが、やっぱり魅力的だ。

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