横浜高の背番号1は最速152キロの剛腕。それでも最大の武器は制球力だ (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 あれから3年の時を経て、木下は順調に成長しているように見える。変わったところといえば、投球フォームがダイナミックになったことだろう。グラブを天に突き上げるようなワインドアップになり、左足も勢いをつけて高く上げるようになった。木下はその意図をこう語る。

「フォームはダイナミックなほうが、(球に)パワーがついて、重みが増すかなと思って。あとは迫力を出したかったんです」

 誰よりもすごいボールを投げたい。そんな男としての本能をむき出しにして、木下は己を磨いている。ただし、木下は「野球はすごいボールを投げられる投手が勝てるわけではない」ということも知っている。

 たしかな制球力に支えられた剛腕。それも最高峰の世界で戦うための、立派な個性に違いない。

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